脳刺激・筋刺激・高齢者の健康づくり

 脳刺激体操で医療・介護費削減!

高橋賢一氏
 2015年には65歳以上の人口が3300万人になると言われます。厚生労働省の四半世紀予測によれば、医療費は今の30兆円から70兆円に、介護費は今の5兆円から20兆円になるそうです。しかしこの大変な事態を前に、膨大な医療・介護費をもっと安くすませるための対策を講じている人が誰もいない。そこで私は、高齢者の健康づくりを考えれば、医療・介護費はドンと下がってくるはずだと考えました。

 寝たきりになる原因は、脳卒中や老衰など脳の障害によるものが50%強を占めます。要介護になる原因も、脳血管疾患、認知症(痴呆)と、やはり脳が原因である率が高い。ならば脳に刺激を与えようと考案したのが脳刺激体操です。脳の血流は常に一分間に750mlですが、脳を刺激する体操をすると、375mlが該当箇所に集まります。もし血管が詰まっているところにこれだけの血液がドッと流れれば、半身不随や言語障害などが治るかもしれません。

 脳細胞は一日10万個ずつ減って脳が縮んでいくわけですが、脳の細胞と細胞の間に配線ができたところは縮まない。脳刺激体操ではバラバラな脳神経細胞を繰り返し刺激して回路を作り、配線を太くしていく効果を考えました。

 白筋を作り、骨密度を増やす筋刺激体操の効果

 立つ、座る、トイレに行く、着替えることが1人でできれば100歳以上生きても幸せです。そこで筋力づくりが必要になる。私が考案した筋刺激体操は、腕、足、お腹、背中の各筋肉を孤立化して、それぞれ最大筋力の負荷を6秒間かけるというものです。椅子とタオルさえあればできますから、自宅で簡単に行うことができます。同様に、プールの中で筋刺激を行うレインボー水中体操も考案しました。筋刺激体操はさらに、骨をしなわせて骨細胞を刺激し、骨密度を増やして骨粗鬆症を防ぐ効果も考えて組み立てています。

 実際に新潟県川西町を初めとして、多くの地域でレインボー健康体操・水中体操が実行され、効果を上げています。みなさんにとっても他人事ではありません。上がり続ける医療・介護費をどう減らせるか、ぜひ考えていただきたい。レインボー健康体操の指導者養成コースもありますし、まずは一度、自分の目で、高齢者や障害を持った方たちのクラスをご覧になってください。


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