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尾陰:最近のトレンドと今後の方向性についてのお考えを聞かせてください。 坪井:「浮いて泳ぐところ」だったプールが、「立って動くことに効果がある」と、様々なアクア系プログラムが開講される場になった。この10数年間の変化は非常に大きなものです。そしてまだ変化し続けている中で、水の四大特性を上手に活かしたプログラムを構成する力のない講師は集客できません。日々トレーニングし、勉強しないと生き残っていけない状態になっているのです。指導者自身が意識を変えていく必要があると思います。 寺本:アメリカでは最近、足が着かない深い水の中で行うエクササイズや、水中バイクに人気があるようですが、日本人は音楽に合わせて身体を動かすプログラムが好きですから、ダンス系は今後もなくならないでしょう。 もう一つ、私が今重要性を実感しているのは機能改善プログラムです。有料化して個別アドバイスを行うクラブが増えてくるでしょうし、指導者が解剖学的な専門知識を身につけることが必要になってくると思います。 岡本:最近面白いなと思うのは、ツールです。たとえばソフトボールを浮力に抵抗して沈めれば体幹トレーニングになりますし、膝の間に挟んでバランス力を養うこともできる。水という素晴らしいツールに、+アルファーでどんなツールを持ってくるか。様々なツールを使ったプログラムには、大きな可能性があると感じています。 尾陰:10年前に世の中のトレンドを作る仕事に携わる人から、「80年代はエアロビクスの時代、90年は筋肉トレーニングの時代。その後にバランス・調整力の時代が来て、その次には心の時代が来る」と聞きました。今後の方向性としては、「マインド」がキーワードになってくるかもしれませんね。
尾陰:参加者の心をつかむコツは? 坪井:人間対人間ですから、五感をくすぐることを心がけています。 まず視覚は、見やすく、正確なデモンストレーション。聴覚には、参加者の楽しめる音楽をかけたり、耳に優しい言葉遣いを心がけます。嗅覚は「指導者たるもの」という態度が鼻につかないよう、気をつけます。味覚は「もう一回食べたい」と思うプログラム作り。触覚には、水の特性を活かして、水の気持ちよさを伝えてあげます。どれか1つでも参加者に受け取ってもらえるように、心をこめて、100%の力を出しきって、毎日やっています。 寺本:お客様にストレートに笑顔を要求して失敗してしまった経験から、今は自然に笑顔がこぼれ出るような雰囲気づくりを心がけています。また参加者に「見てくれている」と感じてもらえるように、アイコンタクトをとる際にも笑顔で、目で会話を交わすような気持ちで2、3秒視線を合わせます。 岡本:大事なのはお客様に楽しんでもらい、効果を感じてもらうこと。そのために自分はここにいるのだ、ということを忘れてはいけません。現場では状況に応じた臨機応変さが必要ですけれども、目的意識さえしっかり持っていれば、必ず自分が目指すゴールに行き着けるものだと思っています。 |
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