2.体協の新資格制度
 体協では、前述の閣議決定及び平成12年9月文部省策定の「スポーツ振興基本計画」を受けて、現在体協で実施している「公認スポーツ指導者制度」を廃止し、平成17年度から新たな指導者制度を立ち上げます。

[養成するスポーツ指導者の分類と役割]
 養成するスポーツ指導者の分類は、今後のスポーツ活動の場と必要なスタッフにより、I.スポーツ指導基礎資格、II.競技別指導者資格、III.フィットネス系資格、IV.メディカル・コンディショニング資格、V.マネジメント資格の5分類としています。
 新資格制度の、各資格の名称とその役割は次の通りです。

 I.スポーツ指導基礎資格
資 格 役 割 認定により備えられる
知識と能力
スポーツリーダー 地域におけるスポーツグループやサークルなどのリーダーとして、基礎的なスポーツ指導や運営にあたる。 ●スポーツに関する基礎的知識 ●ボランティアに関する基礎的知識

 II.競技別指導者資格
資 格 役 割 認定により備えられる
知識と能力
指導員  地域スポーツクラブ等においてスポーツに初めて出会う子供達や初心者を対象に、競技別の専門的な知識を活かし個々人の年齢や性格等の対象にあわせた指導にあたる。特に発育発達期の子供に対しては、総合的な動きづくりに主眼を置き、遊びの要素を取り入れた指導にあたる。
  地域スポーツクラブ等が実施するスポーツ教室の指導にあたる。施設開放において利用者の指導支援を行う。
●スポーツに関する基礎的知識 ●ボランティアに関する基礎的知識 ●競技者育成プログラムの理念と方法 ●初心者に対する基礎的指導法
上級
指導員
 地域スポーツクラブ等において、年齢、競技レベルに応じた指導にあたる。事業計画の立案等クラブ内指導者の中心的な役割を担う。地域スポーツクラブ等が実地視するスポーツ教室の指導にあたる。施設開放において利用者の指導支援を行う。 ●競技者育成プログラムの理念と方法●多様な能力やニーズに対する指導法●スポーツ教室や各種イベントの企画立案●組織の育成に関する知識
コーチ  地域において、競技者育成のための指導にあたる。広域スポーツセンターや各協議別のトレーニング拠点において、有望な競技者の育成にあたる。広域スポーツセンターが実施する地域スポーツクラブの巡回指導に協力し、より高いレベルの実技指導を行う。 ●競技者育成プログラムの理念と方法 ●国内大会レベルの競技者に対する高度な指導法
上級
コーチ
 ナショナルレベルのトレーニング拠点において、各年代で選抜された競技者の育成強化にあたる。国際大会等の各競技会における監督・コーチとして、競技者が最高の能力を発揮できるよう、強化スタッフとして組織的な指導に当たる。 ●競技者育成プログラムの理念と方法 ●国際大会レベルの競技者に対する高度な指導法
     
教 師  商業スポーツ施設等において、競技別の専門的指導者として、質の高い実技指導を行う。会員(顧客)が満足できるよう、個々人の年齢や性格、技能レベルやニーズ等に合わせたサービスを提供する。 ●競技者育成プログラムの理念と方法 ●多様な能力やニーズに対応する高度な指導法 ●ホスピタリティに関する知識 ●商業スポーツ施設等の経営に関する基礎的知識
上級
教師
 商業スポーツ施設等において、競技別の専門的指導者として、質の高い実技指導を行う。会員(顧客)が満足できるよう、個々人の年齢や性格、技能レベルやニーズ等に合わせたサービスを提供する。各種事業に関する計画の立案、指導方針の決定等組織内指導者の中心的役割を担う。地域スポーツ経営のためのコンサルティング並びに経営受託の企画・調整を行う。 ●競技者育成プログラムの理念と方法 ●多様な能力やニーズに対応する高度な指導法 ●スポーツ教室や各種イベントの企画立案 ●組織の育成に関する知識商業スポーツ施設等の健全な経営能力

 III.フィットネス系資格
資 格 役 割 認定により備えられる知識と能力
ジュニアスポーツ指導員 省 略 省 略
スポーツプログラマー 省 略 省 略

 IV.メディカルコンディショニング資格
資 格 役 割 認定により備えられる知識と能力
スポーツドクター 省 略 省 略
アスレティックトレーナー 省 略 省 略

 V.マネジメント資格
資 格 役 割 認定により備えられる知識と能力
アシスタントマネージャー 省 略 省 略
クラブマネージャー 省 略 省 略

[制度改定の考え方]
上記改定の、体協の基本的な考え方は次の通りです。
(1) 複雑で分かりづらい現行制度を、養成事業の効率・効果を勘案の上、資格の種類・ランク等の整理、統合を図る。
(2) 講習内容を精選して、時間数を削減し、指導活動現場で直接役立つものを厳選する。
また、教本をわかり易い内容にするとともに講師間の連携を図り、レベルを統一する。
(3) 職業を持つ者にとって受けたくても受けられない状況を打開するため、体育系大学等専門教育機関や広域スポーツセンター等と連携して受講し易い養成システムを構築する。また、併せて講習の単位制導入の検討や公務員が受講する場合、職務専念義務免除が講じられるよう関係機関の理解を求める。
(4) スポーツ指導者の役割に応じた資格認定と活動拠点を明確にし、より一層の活動の促進を図る。
(5) 望ましいスポーツ指導者像を明確にして指導者養成カリキュラムに組み入れる。
(6) 各競技団体の策定する一貫指導システムを指導者養成事業に反映させる。
(7) 国民のスポーツニーズや受講者の実態を考慮の上、新たな資格の創設を図る。

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