文部科学大臣認定「水泳教師」資格について

社団法人 日本スイミングクラブ協会
会 長 中嶋 功
指導力向上委員長 武井 貞文

既にSC協ニュースでお伝えしておりました、文部科学大臣認定「水泳教師」資格制度の改定について、漸くその骨子が決定いたしましたのでお知らせいたします。

1.文部科学大臣認定「水泳教師」資格制度改定の経緯
[現行の資格制度]
 現在、社団法人日本スイミングクラブ協会(以下、協会)で実施しております文部科学大臣認定「水泳教師」資格制度は、昭和62年に文部大臣が告示した「社会体育指導者の知識・技能審査事業の認定に関する規程」に基づいて開始され、平成12年には省令として定められた規程を根拠として、協会が独自に文部科学省より事業認可を受けて行っている資格制度です。
 この資格制度は、協会とは別に財団法人日本体育協会(以下、体協)が事業認可を受け、各競技別の「地域スポーツ指導者」「競技力向上指導者」「商業スポーツ施設における指導者」と、「スポーツプログラマー」「アスレティックトレーナー」「少年スポーツ指導者」「レクリェーションに関する指導者」「野外活動指導者」のカテゴリーに分けて行っており、そのうちの競技別資格については体協とその加盟競技団体で資格認定事業を行っております。水泳関連の資格でいえば、「地域スポーツ指導者(水泳指導員)」「競技力向上指導者(水泳コーチ)」「商業スポーツ施設における指導者(水泳教師)」の資格がこれにあたり、体協が共通科目を担当し、財団法人日本水泳連盟(以下、水連)が専門科目を担当して行われております。
 従って、協会の「水泳教師」資格と水連の「水泳教師」資格は、その資格名の通り事業団体が違うだけで、同じ省令に基づく同一の資格です。

[制度改定の経緯]
 現在まで、内閣官房行政改革推進本部で各種行政改革が検討・推進されてきておりますが、その柱のひとつに「公益法人改革」があります。その改革の一環として、資格制度についても規制緩和の対象として検討がなされ、国の関与を最小限に抑えるという観点から、各省庁認可の公益法人が行っている、いわゆる「お墨付き」と呼ばれている事業認定制度は、平成14年3月29日付閣議決定「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」によって、一律に廃止することが決まりました。
 この閣議決定を受けて、現行の水泳教師資格は平成18年4月1日より「文部科学大臣認定」の冠が外れることになります。協会では、これを機により内容の充実した指導者にとって直接役立つ資格制度の確立を目差して、指導力向上委員会のなかに「資格制度検討小委員会」を設け、同資格の認定を行ってきた水連及び体協と協議を重ねてまいりました。この度、漸くその資格制度の骨格について合意に至り、3者合同事業として新資格制度を立ち上げ、相協力して推進することが決定いたしました。


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