◎「遊び心ある水中運動プログラムで運動の習慣化を」


▲楽しくわかりやすいトレーニング名で
 循環器疾患改善のための水中運動は、水中ウォーキングなどの有酸素運動を中心に行いますが、実際の現場では循環器疾患だけでなく、腰痛や股関節痛などの合併症も併発している方が非常に多い、というのが現状です。
 そこで水中ウォーキングに、立位で行なう筋力トレーニングやストレッチなどを上手に組み入れてあげると良いでしょう。その際、「止息運動はしない」などの点に注意し、ニコニコペース(ボルグスケール11〜12、自覚的運動強度「楽である」〜「ややきつい」)で行なうことが大切です。実際のところ、思っているよりも運動強度が低い場合がありますので、ときどき心拍数を確認するなどして適度な運動強度を維持できるようにしましょう。
 今回の実技・指導実習では、肩痛・腰痛・股関節痛・膝痛改善対策の筋力トレーニングおよびストレッチ各5種類ずつを、100mの水中ウォーキングにはさんで行う「サーキットトレーニング」を体験してもらいますが、わかりやすく楽しいネーミングをつけて図解したものをプール内に掲示しておけば、レッスン以外の時間でも、お客様自身で自分の症状に合った運動をすることができます。
 運動不足という生活習慣を改善し、運動を習慣化させるためには、何よりも運動することの喜びを感じさせることが重要です。そのためにはまず、「いついつまでに改善しましょう」といった目標を提示して動機付けしたり、運動開始前と終了後の結果を比較して「がんばりましたね」と評価するなど、運動の効果や手ごたえを感じてもらう工夫が必要です。
 また、参加者同士のコミュニケーションがうまくとれていることも長続きの秘訣ですから、例えば二人ずつで組になって行う運動を取り入れたり、全員で手をつないで大きな円を作って、誰もが知っている童謡を合唱しながらサイドステップウォークをするなど、「遊び心」を忘れずに、楽しい雰囲気づくりを心がけてください。


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