8月13日(土) C1学科 
「水中運動処方論(1)」大方 孝 氏

 「運動処方」とは、個人の健康状態や体力に応じて運動の種類や強度、時間、頻度などを決めて運動指導を行なうことであり、「安全」「効果的」「楽しい」ことが基本となる。
特に高齢者対象の場合、運動の主要目的は、加齢に伴う身体諸機能の低下をできるだけくい止め、活動的な生活が送れる程度まで回復させることにある。従って指導内容は特定の運動種目に偏るものではなく、無酸素性運動(レジスタンストレーニング)・有酸素性運動(呼吸循環器系の全身的な運動)・柔軟運動(ストレッチング)のほか、認知症や転倒予防に効果的な神経筋協応運動(ニューロマスキュラー・コンディショニング)も加えて、様々な身体機能のトレーニングになるよう、多彩な種目を取り入れた総合的な運動プログラムとすることが望ましい。

 8月13日 C2学科 
「水中運動の科学(1)」大方 孝 氏

 水中運動では、「浮力・水圧・抵抗・水温」の4つの水の物理的性質(4大アクアパワー)の影響を強く受けるため、以下に挙げるような、陸上運動にはない様々な効果が期待できる。
(1)浮力により、関節にかかる負担が減少する。(2)水圧によって自然に横隔膜が上下する腹式呼吸となり、呼吸筋を強化する。同様に、水圧が静脈還流を促進し、心臓への負担を軽減する。(3)空気の27倍の熱伝導率を持つ水中では、体温を一定に保とうとするために体温調節機能が向上する。(4)「水の抵抗は投射性面積に比例し、速度の二乗に比例する」という特性から、動かす速度や大きさを調節することで、体力や状況に合わせた運動負荷の調節が可能である。しかも縦・横・斜めといった全方位で、抵抗を負荷として活用することができる。

♪受講者の声♪
渡辺知佐子さん(JSSきたみSS)
 「このような大きな講習会は北海道内では開催されないため、思い切って勉強しにきました。メディカル効果を求めてクラブに通う利用者が多い地域ですが、冬場になると外は雪に覆われてしまい、運動部の学生も利用にくるため、運動機能に関する幅広い知識の必要性を痛感していました。今回はB〜AA級を受講したのですが、以前のC級受講のときよりも、講義がわかりやすく、体系的に勉強できてよかった」とのこと。渡辺さんの次の目標はメディカルアクアフィットネスインストラクター資格取得だそうです。

 8月13日(土) C3学科 
「水中プログラムの作成と指導法(1)」大方 孝 氏

 水中運動健康法4つのプログラムとして、「アクアウォーキング」「ウォーターレジスタンスエクササイズ」「アクアストレッチ&アクアリラクゼーション」「アクアマッサージ」が挙げられる。
 アクアウォーキングは、25m当たり50秒位のスピードで歩くのが適当。週2〜3回、3ヶ月〜6ヶ月続けて行なうと、有酸素的な運動能力の改善につながると言われている。レジスタンスエクササイズは、正しい姿勢、正しい動作でゆっくり行ない、動作に伴う呼吸方法を指導すること。水中では関節の可動域も拡大し、ストレッチ効果が高まる。さらに浮力や水流を利用してリラクゼーションを楽しむプログラム作りを工夫すると良い。アクアマッサージには、ファンヌードルを使用した牽引や、二人組でのストレッチング、ダンスなどのバージョンもある。


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